どうして君を好きになったんだろう
「お兄!制服はしっかり着た方がかっこいいよ!!」


佐藤さんと彩芽がグルになった。


「はいはい。また今度ね。」


「もう直す気ないのね。あっ、私仕事に戻るから璻君お願いね。」


「分かりました。ありがとうございます。」


俺がそう言うと慌ただしく病室を出て行った。


「彩芽、今日は何してたの?」


俺はベッドの横に椅子を置いて座る。


個室だから結構広いんだよね。


「んーとね、午前中は勉強して、午後は小児科の子供達に絵本読みに行ってた。それで今に至る。」


表情をくるくる変えながら話す彩芽。


「そっか。あっ、こないだの小説どうだった?」


「これでしょ!!面白かったよー!やっぱり恋愛ものはドキドキするね!!遼君にもありがとうって言ってね。」


「分かった。・・・・・・・先生、いつ退院できるかって言ってた?」


ちょっと心配そうに聞いた。


「多分、調子がよければ夏休み明けには学校に行けるんじゃないかって。通院はしないといけないけどねって。あぁー!学校行ってみたい!!高校生だもん。やりたいこと沢山ある。」



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