どうして君を好きになったんだろう
「いや、自分が派手な格好してるって自覚あるんだなーと思ってさ。・・・・んー、じゃあちゃんとした服着てきてよ。髪の毛は仕方ないからせめて制服だけでもちゃんと着てね?」


「分かったよ。あっ、もう一人友達連れてってもいい?」


「うん。その人にも服装だけ気をつけるように言ってね?」


もう一度念を押された。



「あはははは!了解。んじゃ、また来週な。ありがとう。」


「どういたしまして。またね。」


俺は電話を切って、彩芽に連絡する。


「もしもし?お兄どうしたの?」


「本、貸してくれるって。来週持っていくから。楽しみにしてろ。」


「本当!?ありがとーー!!貸してくれる人によろしくね。」


「うん。じゃあな。」


俺はスマホをまたポケットに入れて歩く。



嬉しそうに笑ってた。




今は、


今は彩芽の笑った顔を見れたらそれでいい。


俺は茜色に染まる夕焼けを見上げた。


彩芽が早く退院出来ますように。


もう、苦しい思いをしませんように。


そう心の中で呟いて俺は家に帰る。

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