どうして君を好きになったんだろう

私は璻の優しさが嬉しくて、初めて心が温かくなった。


人に慰められたのも初めて。


抱きしめてくれるだけなのに落ち着く。


私が泣き止むと璻が私のことを見て言った。


「・・・・・・俺さ、さっき見た通り親死んだんだよ。だから、怜香の気持ちが100%分かるわけじゃない。でも、1つ言えるのは、怜香は間違ってないってこと。」


璻が微笑んで言う。


「間違って、ない?私、間違って無いの?」


「うん。・・・・怜香は間違ってないよ。操り人形って思うくらい自分を前に出せなかったんだろ?そんぐらい追い詰められてたんだろ?・・・・・そんなの誰だって爆発するよ。」


「・・・・・・・璻もあるの?爆発したこと。」


「・・・・・・・・・・あるよ。2回も。」


璻が悲しそうに言った。


いつもの璻と違う顔。


悲しそうで泣きそうで、悔しそう。


「俺の話、聞いてくれるか?」


璻が小さな声で言った。


「うん。・・・・・・・聞く。」


私がそう言うと璻が静かに話始めた。
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