どうして君を好きになったんだろう
「俺が中2の時、火事で両親を亡くした。なんで家事になったかは俺は知らない。聞きたくなんて無かったんだ。・・・・・・アパートが火事になった時、俺はそこにいなかった。前の日にお父さんと喧嘩したんだ。本当にくだらない理由で。次の日、家族でどっかに遊びに行こうって言われたんだけど俺は反抗期で行かねぇって言ったんだ。それがきっかけで喧嘩した。」
璻は下を向いたまま話していたが急に前を向いて話し出した。
茶色の髪の間から見えた目は悲しそうだった。
「俺は次の日寄り道して帰ったんだ。学校の帰りにご飯食べに行くって言ってたから。俺はわざと遅く帰った。・・・・・・・そしたら家の前にはたくさんの人と真っ赤に燃える炎。一瞬何が起こったのか分かんなかった。でも、消防士が抱えていたのは妹の彩芽だった。そん時彩芽は小6だった。両親は彩芽を守るために命を失った。」
「今も・・・・・・・彩芽ちゃん入院してるんでしょ?」
「あぁ。両親を失ったショックで。発作が出るようになった。でももう少しで退院出来るかもしれない。そしたら2人暮しだな。」