どうして君を好きになったんだろう
いつもの笑顔の裏に悲しい過去。


「・・・・・・ありがとう。ごめん、俺めっちゃカッコわりぃや。」


「そんなことない。涙が似合う人だっていると思う。」


私が偉そうに言うと璻が私の頭をぐしゃぐしゃにした。


「ちよっ!何すんの!!」


「いや、面白いな、怜香。・・・・ただの真面目じゃないなーって思って。意外にやることが不良みたいじゃん。俺だって家出なんてしねぇよ?」


「そっ、それは!」


「分かってるよ。とにかく話は後で。ほら、シャワー浴びてこい。着替えも用意しとくから。」



私は驚いて璻を見る。


「どうせ家帰んねぇんだろ?だったらここにいればいいよ。・・・・あっ、別に何もしねぇから。」


「・・・・・・・ありがと。」


私の目から涙が出た。


「また泣くーーー。ほら、行ってこい。」


私は璻に背中を押されてお風呂場に向かう。


扉を閉めてドアを開ける。


「綺麗に掃除されてる。」


意外にマメなんだな。


私は体を洗って湯船に浸かる。
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