どうして君を好きになったんだろう
「そーいえば、夏休みなのにどこにも行かないの?」
「あぁー、行ってるよ。でも夜には帰ってくることが多いかな。彩芽のところ行くし。」
「そーなんだ。」
「はい。終わり。」
ドライヤーを止めて璻が言った。
「あっ、ありがとう。」
「っていうか、これからどうするの?とりあえず、連絡入れとけば。」
「・・・・・・うん。友達の家にいるって言っておく。・・・・・・・これからは分かんない。」
私は言いながらお母さんにメールを送る。
「・・・・・・はぁ。お盆だけだからな。」
「え?なにが?」
「お盆だけならここにいていいけど、過ぎたらちゃんと家帰れよ。」
「・・・・ありがとう。璻。」
「うん。」
私は次の日、お母さんも誰もいない時に荷物を取りに戻った。
そしてお盆の間だけ璻の家に暮らすことにした。
1度離れてみて気づくこともあると思うから。
まさか璻と暮らすなんて思ってもみなかったけど。