トラブルシューターの花嫁
花凛と風太と雷太は同じ高校に通っていて制服も同じくブレザーだが一学年上である風太と雷太とはネクタイの色が違った。
一年生の花凛は赤色だが二年生の風太と雷太は緑色、そして三年生が青色。
風太と雷太の容姿は中性的で女装をすれば本当に性別が女子なのではないかと疑ってしまうほどだ。
だから自分は冴えない容姿だと思っている花凛は風太と雷太の容姿が実は…というが本当に羨ましかったりもしている。
ドッペルゲンガーのようにそっくりな一卵性の双子である風太と雷太の見分けがつかない人が多い。
だから、よくイタズラで入れ替わりをしていたが花凛は見間違える事が一度もなかった。
「「おはよう!花凛」」
「おはよう風にぃ雷にぃ。それにしてもどうしたの?いつもなら起こしたら直ぐに朝ごはん食べに下に行くのに…」
部屋に入るなんて珍しい…と言うと風太と雷太は瞼を大きくパチクリさせた後、二人は顔を見合わせた。
「花凛、今日何の日かわかる?」
「何言ってるの風にぃ。今日は…」
首を傾げながら部屋に飾ってあるカレンダーを見ると九月九日に恥ずかしながら【My birthday】と書いていた。
「今日は花凛の誕生日だよ!!」
ニコッと爽やかな笑顔で雷太が言うと二人揃って花凛にラッピングされた箱を渡した。
「あ、そっか。今日あたしの誕生日…ありがとう!風にぃ、雷にぃ」
自分の誕生日の事をスッカリ忘れていた花凛は兄達の誕生日プレゼントがサプライズの様に思えて嬉しかった。
ただ、双子は考える事が同じで…
「「あっ!!?」」
その場でリボンを解いて中身を確認した花凛は思わず苦笑いをし、対して兄の二人は吃驚したあとお互いを睨みつけた。
「「真似したな!!」」
ラッピングされた箱には色違いとはいえ同じブランドのブレスレットが入っていた。
一つはラベンダー色、もう一つは水色
「さすが双子だね、風にぃ雷にぃ」
同じブランドのブレスレットでも色は違うし、自分のために一生懸命に考え、選んでくれた事に花凛は喜びを感じていた。
「ありがとう!風にぃ雷にぃ!大好き!!」
この言葉に喧嘩になりそうな程の睨み合いを続けていた風太と雷太は妹の感謝の言葉と“大好き”という言葉のおかげで喧嘩には至らなかった。
寧ろ、照れた。
これから毎日このブレスレットをつけて学校に行こうと決めた花凛は早速、腕につけた。
見事にサイズがピッタリ。
「風にぃ雷にぃ、そろそろ朝ごはん食べに行こう!」