放課後、いつもの場所で。
2.再会、と笑顔
早朝。

ガヤガヤと賑わう下駄箱に私は居た。

眠い頭を無理矢理動かしながら靴を脱いで上履きに履き替える。


その時、後ろからポンッと肩を叩かれた。


「おっはよー」

「あ、さやか。おはよ」

「なーにもう。今日から新学期だってのに、変な顔」


ぷぷ、と笑うさやか。

変な顔で悪かったな。
と思いながら下に置いていた鞄を持ち上げた。


「昨日夜更かししちゃって寝不足なの!」

「ふーん。あ、そう言えばさっき見ちゃった」

「何が?」


上履きに履き替えるさやかを見ながら首をかしけて、話の続きを待った。


「スーツ着た人。校長先生と話ながら歩いてたけど…、転校生?教育実習生?」

「何それ」


釈然としないさやかの言葉。

こんな時期に転校生やら教育実習生やら、
そんなはずはない。


だって今日から3学期だよ?
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