struck symphony

「ゆら、お腹すいたでしょ」

「うんっ」

「さっきのおにぃさんが、
ゆらに
美味しいのを作ってくれてるんだよ~」

「わ~い!やったぁー!」

大きく跳び跳ねて
体いっぱいで表現する、響。


「食べよっか」

「うん!食べよっか」

「お椅子に座ろう」

「はいっ♪」


響は、すぐさま椅子へと駆け寄る。


恵倫子は、響を椅子に座らせると、
陽音が、
響のために冷蔵庫に用意してくれていた
ポモドーロのスープパスタを電子レンジで
あたため、

椅子から落ちないように
行儀良くじっと待ってる響へと
テーブルに置いた。


目の前に置かれると、響は、
「わぁ~~~!」
と、
歓喜の声を上げて 喜びを大きく表現した。


「いただきっますっ」

「はい」


返事をしながら 響の前に座る、恵倫子。


恵倫子の前にはパスタが無い事に気づくと、
響は、
恵倫子に「あ~ん」と言いながら
自分のパスタを差し出した。


「あら、ゆらちゃん 優しいね、ありがと。
それは ゆらのだから、いいのよ。食べなさい♪」


響は、こくりと頷いて、
美味しそうに食べ始めた。



そんな愛娘を見てるだけで、
恵倫子は、
とっても幸せな気持ちになった。 ーー
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