struck symphony
夜も更け ー
フカフカな布団にくるまる響は、
無垢な寝顔で 夢の中…
恵倫子は、そっと絵本を閉じる。
今夜の絵本は、
イソップ物語の きたかぜとたいよう。
絵本の読み聞かせをしていた恵倫子と
傍らで ふたりを見守るように眺めていた陽音は、
眠りについた響の寝顔を 愛しい眼差しで見つめる。
「すぐに寝ちゃったね」
「うん。
今日は、外でもいっぱい遊んだし、
花火にも興奮したからね。
陽音さんが家に来てたのも、興奮してたし」
寝静まるなかで、
起こさないように、ふたりは、立ち上がる。
響が見えるよう、
いつものように 扉は開けたままに
静かに 寝室を出た。
ー ピンポーン ー
突然に 玄関のインターホンが鳴った。
「誰だろう、こんな時間に」
恵倫子は、九時を指す時計を横目に
響が起きやしないかと
慌ててモニターのボタンを押す。
「恵倫子~、あたし!」
「あぁ!来夏(らいか)」
「恵倫子に急用があって、
携帯鳴らしたけど出ないから 来てみたの」
「あぁ、ちょっと待って」
恵倫子は、
モニターを切り、陽音に お伺いを立てた。
「幼稚園からの親友の、来夏。
急用で来たみたいなんだけど、今、入れてもいい?
陽音さん、迷惑でしょ?」
「迷惑?」
「私たちのことが 知られてしまうから」
「別に構わないよ」
「構わないの?」
「うん。だって、本当のことだしね」
「陽音さん…」
陽音の実直な姿勢に、恵倫子は、胸熱く 感激した。
「親友に紹介できるなんて… 嬉しい」
「恵倫子の親友なら尚更、会って挨拶しないとな」
「ありがとう…」
恵倫子は、喜びを胸に 玄関へと駆けた。
扉を開けると、来夏は、勢いよく入って来て、
玄関先で 怒涛の勢いで喋りだした。
「遅いよ~ 忙しかった?
あっ ゆらちゃんを寝かせてた?ごめんねっ、
いや それがさ~、アレが どうしても明日必要でさ、あのアレっ、ここに置きっぱなしにしてた~…」
「まぁ、とにかく上がりなよ」
「あ、あぁ そうね」
来夏は、我に返り 靴を脱ぐ。
「お邪魔しま…」
ふと、男性ものの靴があるのに 目が止まった。
「誰か来てるの?」
「うん」
「男、よね?」
「うん」
「え…」
様々な想像が、来夏の頭を駆け巡る。
“男…出来た? いやいや、聞いてないし。
今まで いろんな男が寄って来てたけど、
一人で立派に育てる って決めて、
ほんとに頑張ってたし。
あぁ~
恵倫子のお父さんかな?
…いや、
これ めっちゃ高そうな靴だし。
娘の家に来るのに、
こんな高そうな靴 履いて来ないよね。
…ブランドものよねぇ… なんだっけ…”
マシンガンの様に喋っていた来夏が、
急に黙りこくり 警戒している姿に、
恵倫子は、思わず 吹き出す。
「な、なによ~」
「そんなに身構えないで。
親友であるあなたに、紹介したい人がいるの」
「紹介?」
「そう!さぁ、上がって。早く」
「う、うん…」
恵倫子に促されるまま、
来夏は、しぶしぶ 玄関を上がる。
“どんな奴~? 見てやろうじゃないのっ
頑張ってる恵倫子を
綺麗だからって近寄ってきて
誑かしてるんじゃないでしょうね~
恵倫子と響の幸せを邪魔するなら、
私が承知しないわよっ”
そんなことをぶつぶつ考えながら……
「!!!」
リビングへと入った来夏は、度肝を抜かれた。
ファンでない自分でも知ってる有名人が、
目の前に 立っているからだ。
「こうだい… …はると」
思わず、知ってる名前を呟いた。
「うん、そう。
有名人だから、知ってる…よね」
語り掛ける恵倫子に 返事をする余裕もなく、
絶句する、来夏。
「来夏? 大丈夫?」
恵倫子は、落ち着いて聞いてもらおうと、
来夏を ソファーに座らせた。
そして、飲み物を出す。
出されたルイボスティーを 一気に飲み干すと、
素早い深呼吸をし、
「うん、大丈夫」と、来夏は、聞く体制をとった。
改めて、
恵倫子が、来夏に告げる。
「今、お付き合いしている、
ピアニストの 香大陽音さん」
恵倫子に続いて、陽音が、口を開いた。
「初めまして。香大陽音(こうだいはると)です。
恵倫子さんと お付き合いさせていただいております」
丁寧で着実に告げる陽音に、
紳士な人柄と誠実さを感じながら、
来夏は、驚きながらも 挨拶を返した。
「あ、…、初めまして。矢波来夏(やなみらいか)です。
恵倫子とは、幼稚園からの親友です」
「存じてます。恵倫子さんから 聞いてました」
「えぇ~、私のこと 話してるの~?」
自分の親友が 有名人と付き合ってることや、
自分のことが会話に出てくること、
何より、
今、目の前にいて、自分と会話していることに
夢なんじゃないか と、
来夏は、
自分の頬を 力いっぱいつねってみたりして、
笑いを誘い、
一気に 和やかな雰囲気に 包まれた。
砕けてゆく雰囲気のなかで、
陽音は、
恵倫子と出逢ったきっかけ や、
一目惚れだったこと、
響と三人で 出掛けたこと などを
簡単ながらも語る。
微笑ましく聞きながら、
来夏の心から、緊張や警戒が、次第に解けていき…
笑みが零れながら 聞いているうちに
可愛い響を 見守ってほしい…
頑張ってる恵倫子を 守ってあげてほしい… と、
来夏は、
笑顔ながら だんだんと 涙が溢れてきた…
「え… ちょっと…、なに泣いてるのよ~」
「ぇえ?
だって、恵倫子っ、一人で頑張ってたからぁ、
こんな素敵な出逢い、良かったなぁ~ って、
思ってさ~」
笑みを浮かべながらも、嗚咽しながら言う来夏に、
恵倫子は、来夏の涙を拭いながら、笑いながらも
もらい泣きをしてしまっていた…
優しく和やかな雰囲気の お似合いなふたりを見て、
安心した、来夏。
お邪魔虫は退散 とばかりに
置いたままだった 超広角レンズを鞄に仕舞うと、
「香大さん、恵倫子を よろしく頼みます」
と告げ、帰って行った。
ー
来夏を見送ったあと、
恵倫子は、お茶でもいれようと キッチンへと向かう。
「あっ、そうだ。恵倫子に、大事な話があるんだ」
言い忘れていたことを思い出し、
陽音は、ソファーに腰を下ろした。
「大事な話?」
改まって言う陽音の様子に 恵倫子は、 キッチンからソファーに向かい、静かに腰を下ろして 畏まった。
「初の、ワールドツアーが決まった」
「おめでとう!!」
「ありがとう」
「凄いね!」
恵倫子は、感嘆の声を上げる。
「目標に、やっと辿り着けた…」
「うん」
恵倫子は、深く頷く。
陽音本人は、自分で自分のことを 頑張ったとか
努力してるとか 決して言わないけれど、
陽音のファンになってから、
雑誌や 陽音のブログ写真などを観てきた恵倫子は、
陽音の願いや 血の滲むような努力を ひしひしと感じていた。
「まだまだ これからだけどね。
だからこそ、この 初めてのワールドツアーを
なんとしてでも 成功させたい」
「燃えてるね」
「うん、 燃えてる」
そう言いながら、希望に前を見据える陽音を
恵倫子は、見守るように 静かに見つめる。
陽音も、恵倫子を見つめ……
複雑な想いに 深呼吸をひとつ。
そして、
念願の決意を胸に、心を込めて 力強く
恵倫子に告げた。
「一度きりの人生…
やるからには、
入念に万全な準備をして、最高のモチベーションで 本番を迎えたい。
現地を知って、見聞も広め、
更に飛躍した音色。
自分の成長,
折角 聴きに来てくださる御客様へも、確実に。
初めて挑む、培糧な大きな仕事だから、
ツアーに入る事前から しっかりと日程を組んだ。
行ってくるよ」
「あ…」
“そっか… 海外に行っちゃうってことか…”
恵倫子の心の中で いろんな想いが交差する。
“入念に万全な準備をして、最高のモチベーション…、
真面目な陽音さんらしいな。
更に博学の深まった 陽音さんの音色は、
どんなに素晴らしいものだろう…
聴きたいな…
あ………
一緒に… とは… 言ってくれないの……”
「いつ… 出発するの?…」
「準備も含めて、来週には」
「来週!?」
“そんな… …もう 行っちゃうんだ…”
例え…
ついて来てほしい と言われたとしても
響の幼稚園のこともあるし、
今の生活を揺るがしてまで
今すぐ ついて行けるわけでもない…
…けれど…
言ってほしい 気持ちもあった…
嬉しさや安らぎも 束の間。
離れる寂しさ…
心配や不安が… 初めて 込み上げて来た…
だけど…
陽音の 念願の夢が、叶うことが 大事。
陽音は、遊びで海外に行くわけじゃない。
自分の行く末を左右する、大事な仕事。
安易に ついて行くわけにもいかない。
邪魔をする権利もない。
恵倫子は、
今、離ればなれになる不安に、
込み上げてくる溢れそうな涙を 胸の中だけでいっぱいにして、
満面の笑みで、陽音に言った。
「行ってらっしゃい!
ここから 成功を祈ってるから」
ーー
フカフカな布団にくるまる響は、
無垢な寝顔で 夢の中…
恵倫子は、そっと絵本を閉じる。
今夜の絵本は、
イソップ物語の きたかぜとたいよう。
絵本の読み聞かせをしていた恵倫子と
傍らで ふたりを見守るように眺めていた陽音は、
眠りについた響の寝顔を 愛しい眼差しで見つめる。
「すぐに寝ちゃったね」
「うん。
今日は、外でもいっぱい遊んだし、
花火にも興奮したからね。
陽音さんが家に来てたのも、興奮してたし」
寝静まるなかで、
起こさないように、ふたりは、立ち上がる。
響が見えるよう、
いつものように 扉は開けたままに
静かに 寝室を出た。
ー ピンポーン ー
突然に 玄関のインターホンが鳴った。
「誰だろう、こんな時間に」
恵倫子は、九時を指す時計を横目に
響が起きやしないかと
慌ててモニターのボタンを押す。
「恵倫子~、あたし!」
「あぁ!来夏(らいか)」
「恵倫子に急用があって、
携帯鳴らしたけど出ないから 来てみたの」
「あぁ、ちょっと待って」
恵倫子は、
モニターを切り、陽音に お伺いを立てた。
「幼稚園からの親友の、来夏。
急用で来たみたいなんだけど、今、入れてもいい?
陽音さん、迷惑でしょ?」
「迷惑?」
「私たちのことが 知られてしまうから」
「別に構わないよ」
「構わないの?」
「うん。だって、本当のことだしね」
「陽音さん…」
陽音の実直な姿勢に、恵倫子は、胸熱く 感激した。
「親友に紹介できるなんて… 嬉しい」
「恵倫子の親友なら尚更、会って挨拶しないとな」
「ありがとう…」
恵倫子は、喜びを胸に 玄関へと駆けた。
扉を開けると、来夏は、勢いよく入って来て、
玄関先で 怒涛の勢いで喋りだした。
「遅いよ~ 忙しかった?
あっ ゆらちゃんを寝かせてた?ごめんねっ、
いや それがさ~、アレが どうしても明日必要でさ、あのアレっ、ここに置きっぱなしにしてた~…」
「まぁ、とにかく上がりなよ」
「あ、あぁ そうね」
来夏は、我に返り 靴を脱ぐ。
「お邪魔しま…」
ふと、男性ものの靴があるのに 目が止まった。
「誰か来てるの?」
「うん」
「男、よね?」
「うん」
「え…」
様々な想像が、来夏の頭を駆け巡る。
“男…出来た? いやいや、聞いてないし。
今まで いろんな男が寄って来てたけど、
一人で立派に育てる って決めて、
ほんとに頑張ってたし。
あぁ~
恵倫子のお父さんかな?
…いや、
これ めっちゃ高そうな靴だし。
娘の家に来るのに、
こんな高そうな靴 履いて来ないよね。
…ブランドものよねぇ… なんだっけ…”
マシンガンの様に喋っていた来夏が、
急に黙りこくり 警戒している姿に、
恵倫子は、思わず 吹き出す。
「な、なによ~」
「そんなに身構えないで。
親友であるあなたに、紹介したい人がいるの」
「紹介?」
「そう!さぁ、上がって。早く」
「う、うん…」
恵倫子に促されるまま、
来夏は、しぶしぶ 玄関を上がる。
“どんな奴~? 見てやろうじゃないのっ
頑張ってる恵倫子を
綺麗だからって近寄ってきて
誑かしてるんじゃないでしょうね~
恵倫子と響の幸せを邪魔するなら、
私が承知しないわよっ”
そんなことをぶつぶつ考えながら……
「!!!」
リビングへと入った来夏は、度肝を抜かれた。
ファンでない自分でも知ってる有名人が、
目の前に 立っているからだ。
「こうだい… …はると」
思わず、知ってる名前を呟いた。
「うん、そう。
有名人だから、知ってる…よね」
語り掛ける恵倫子に 返事をする余裕もなく、
絶句する、来夏。
「来夏? 大丈夫?」
恵倫子は、落ち着いて聞いてもらおうと、
来夏を ソファーに座らせた。
そして、飲み物を出す。
出されたルイボスティーを 一気に飲み干すと、
素早い深呼吸をし、
「うん、大丈夫」と、来夏は、聞く体制をとった。
改めて、
恵倫子が、来夏に告げる。
「今、お付き合いしている、
ピアニストの 香大陽音さん」
恵倫子に続いて、陽音が、口を開いた。
「初めまして。香大陽音(こうだいはると)です。
恵倫子さんと お付き合いさせていただいております」
丁寧で着実に告げる陽音に、
紳士な人柄と誠実さを感じながら、
来夏は、驚きながらも 挨拶を返した。
「あ、…、初めまして。矢波来夏(やなみらいか)です。
恵倫子とは、幼稚園からの親友です」
「存じてます。恵倫子さんから 聞いてました」
「えぇ~、私のこと 話してるの~?」
自分の親友が 有名人と付き合ってることや、
自分のことが会話に出てくること、
何より、
今、目の前にいて、自分と会話していることに
夢なんじゃないか と、
来夏は、
自分の頬を 力いっぱいつねってみたりして、
笑いを誘い、
一気に 和やかな雰囲気に 包まれた。
砕けてゆく雰囲気のなかで、
陽音は、
恵倫子と出逢ったきっかけ や、
一目惚れだったこと、
響と三人で 出掛けたこと などを
簡単ながらも語る。
微笑ましく聞きながら、
来夏の心から、緊張や警戒が、次第に解けていき…
笑みが零れながら 聞いているうちに
可愛い響を 見守ってほしい…
頑張ってる恵倫子を 守ってあげてほしい… と、
来夏は、
笑顔ながら だんだんと 涙が溢れてきた…
「え… ちょっと…、なに泣いてるのよ~」
「ぇえ?
だって、恵倫子っ、一人で頑張ってたからぁ、
こんな素敵な出逢い、良かったなぁ~ って、
思ってさ~」
笑みを浮かべながらも、嗚咽しながら言う来夏に、
恵倫子は、来夏の涙を拭いながら、笑いながらも
もらい泣きをしてしまっていた…
優しく和やかな雰囲気の お似合いなふたりを見て、
安心した、来夏。
お邪魔虫は退散 とばかりに
置いたままだった 超広角レンズを鞄に仕舞うと、
「香大さん、恵倫子を よろしく頼みます」
と告げ、帰って行った。
ー
来夏を見送ったあと、
恵倫子は、お茶でもいれようと キッチンへと向かう。
「あっ、そうだ。恵倫子に、大事な話があるんだ」
言い忘れていたことを思い出し、
陽音は、ソファーに腰を下ろした。
「大事な話?」
改まって言う陽音の様子に 恵倫子は、 キッチンからソファーに向かい、静かに腰を下ろして 畏まった。
「初の、ワールドツアーが決まった」
「おめでとう!!」
「ありがとう」
「凄いね!」
恵倫子は、感嘆の声を上げる。
「目標に、やっと辿り着けた…」
「うん」
恵倫子は、深く頷く。
陽音本人は、自分で自分のことを 頑張ったとか
努力してるとか 決して言わないけれど、
陽音のファンになってから、
雑誌や 陽音のブログ写真などを観てきた恵倫子は、
陽音の願いや 血の滲むような努力を ひしひしと感じていた。
「まだまだ これからだけどね。
だからこそ、この 初めてのワールドツアーを
なんとしてでも 成功させたい」
「燃えてるね」
「うん、 燃えてる」
そう言いながら、希望に前を見据える陽音を
恵倫子は、見守るように 静かに見つめる。
陽音も、恵倫子を見つめ……
複雑な想いに 深呼吸をひとつ。
そして、
念願の決意を胸に、心を込めて 力強く
恵倫子に告げた。
「一度きりの人生…
やるからには、
入念に万全な準備をして、最高のモチベーションで 本番を迎えたい。
現地を知って、見聞も広め、
更に飛躍した音色。
自分の成長,
折角 聴きに来てくださる御客様へも、確実に。
初めて挑む、培糧な大きな仕事だから、
ツアーに入る事前から しっかりと日程を組んだ。
行ってくるよ」
「あ…」
“そっか… 海外に行っちゃうってことか…”
恵倫子の心の中で いろんな想いが交差する。
“入念に万全な準備をして、最高のモチベーション…、
真面目な陽音さんらしいな。
更に博学の深まった 陽音さんの音色は、
どんなに素晴らしいものだろう…
聴きたいな…
あ………
一緒に… とは… 言ってくれないの……”
「いつ… 出発するの?…」
「準備も含めて、来週には」
「来週!?」
“そんな… …もう 行っちゃうんだ…”
例え…
ついて来てほしい と言われたとしても
響の幼稚園のこともあるし、
今の生活を揺るがしてまで
今すぐ ついて行けるわけでもない…
…けれど…
言ってほしい 気持ちもあった…
嬉しさや安らぎも 束の間。
離れる寂しさ…
心配や不安が… 初めて 込み上げて来た…
だけど…
陽音の 念願の夢が、叶うことが 大事。
陽音は、遊びで海外に行くわけじゃない。
自分の行く末を左右する、大事な仕事。
安易に ついて行くわけにもいかない。
邪魔をする権利もない。
恵倫子は、
今、離ればなれになる不安に、
込み上げてくる溢れそうな涙を 胸の中だけでいっぱいにして、
満面の笑みで、陽音に言った。
「行ってらっしゃい!
ここから 成功を祈ってるから」
ーー