struck symphony
それから… 日毎、過ぎ行き…
恵倫子は、
陽音と出逢う前に戻ったような感覚で、
毎日を送っていた…
朝5時半に起きて、響と自分のお弁当と朝食を作り、
洗濯機を回して干して、適度に掃除して、
響を起こして、一緒に朝食を食べて、
響の用意と 自分の用意。
響を乗せた幼稚園バスを見送り、自分は、長いこと勤めている、弁当屋の仕事へ。
好きな仕事を一生懸命にやって、
和気藹藹な昼食。
午後の仕事も終え、仕事上がり。
オーナーの奥さんが、従業員皆に、
「これ、持って帰って♪」と、
おかずを沢山くれたりして、
恵倫子にとって、
凄く助かるので、有難い想いいっぱいで、
仕事場からの帰路の途中で、
響の乗る幼稚園バスの お迎えへ。
帰宅しても、落ち着いては居られない。
洗濯物を取り込み、夜ご飯やら お風呂やらで、忙しい。
響と湯船に浸かりながら、
ひとときのリラックスタイム。
“やっと、明日は休みだぁ。
ちょっとは、ゆっくりできるかな。
あっ、そういえば…、
今日は珍しく 愚図らなかったなぁ”
一緒に、お風呂の中で遊んでるときの、
響の満面の笑顔で、恵倫子は、気付かされた。
響は、お風呂が好きなのに、
最近、
「お風呂入るよ~」と声かけすると、
「いやーーー!」と、
梃子でも動かないのかと思える程の力強さで、
服も脱がされまいと 寝そべり許否の、知恵三昧。
でも、今日は全然違う。 満面の笑顔。
“最近のお風呂が、楽しくなかったのねぇ”
忙しさに、お風呂も義務化してたかも…と、
恵倫子は、響に 気付かされた。
そして、
響が、シャワーに慣れたのにも 気付かされた。
どうやら、ぞうさん如雨露のお蔭で、慣れた様子。
“シャワーは、水の勢いが強くて 怖かったのかな”
恵倫子は、改めて 感じる。
以前と同じような、我が家。
朝起きてからの やるべき事は、
陽音と出逢ってからも変わらないのだが……
なんだか、気分が違う。
今は、
陽音と出逢う以前の日々と同じ、感覚。
つかの間に会える楽しみがあった、
陽音との、お昼の会食は、
今は、もうない。
連絡が途絶えてから、恵倫子は、ふと 思う。
“ほんとに帰ってくるのかな… ”
陽音のオフの日にも、一緒に過ごしてた事が、
懐かしい… 物悲しい…
でも、
寂しいなんて、言ってられない…
響を育てる、大切な日々がある。
だから、
恵倫子は、陽音との良い想い出 として、
心に刻めるように、心掛けた…
そんな…
年明け、ちょうど ふた月目が、訪れようとした頃…
ーー
恵倫子のもとに 一通の絵葉書が届いた。
郵便物に紛れて、美しい 公演風景が…
“あっ…”
予感がして、その一枚を手に取る。
裏返して、差出人の名前を見る…
「!…陽音さん」
久方振りに、陽音からの便りが、
届いたのだった。
“私を忘れたわけじゃ なかったんだぁ…”
見馴れた綺麗な字に、心を寄せる。
ーー
恵倫子へ
今、ベルリンにいます。
絵葉書の写真は、
先日 開催されたベルリンコンサートでの
演奏風景です
ーー
短い文面だったが、
恵倫子には、深く染み入るものだった。
そして、
写真からは、今にも
陽音の演奏が、響いてきそうだった。
恵倫子は、久方振りの感動に 余韻嫋々ながら…
「ん?」
もう一通、
陽音からの 封書が届いていることに気付いた。
嬉しいサプライズを味わったような、気分…
恵倫子は、嬉しさを噛みしめるように
レターオープナーで ゆっくりと封を開けると、
陽音の書いた 綺麗な字を辿る様に…
文面の一文字一文字を 噛みしめるように…
大切に 丁寧に 読んでいった…
ーー
恵倫子 お元気ですか
漸く 余裕ができ、ペンを取りました。
逸る気持ちを抑えながら 書いています。
多忙が重なり、ハプニングや山場もあり、
想像した様に
スムーズにいくものではないんだな と
海外ツアーの大変さを痛感したり、
人生とは面白いなぁ と感じたりしています。
響ちゃんも 元気かな
今度会ったら、ちょっと見ない間でも
随分と大きくなったなぁ と、感じるだろうね。
仲良し親子さん
仲良く楽しく 日々を送ってるのでは…と
想像しながら、
三人で見た あの日の花火を
いつも 思い出している。 励みにしてる。
また、一緒に見たいな
愛しい夏を 想い出す…
冬のベルリンは、とても寒いです
追伸
新年が明けましたね
明けまして おめでとうございます
新しい年も、 宜しくお願いします
ೄ❥ 心から愛する 恵倫子 & 可愛い 響ちゃん
•*¨*•.¸¸☆*・゚✡*。゚✧*。*◊*¨*•.¸¸♪ー 陽音 ー
ーー
読み終えて… …余韻嫋々… 涙した…
陽音の想いが知れて
嬉しくて… …嬉しくて…
心から …感激した…
そして…
安堵できた…
恵倫子の
胸いっぱいの涙が、
弾けて… …とめどなく… 溢れた…
ーー
恵倫子は、
陽音と出逢う前に戻ったような感覚で、
毎日を送っていた…
朝5時半に起きて、響と自分のお弁当と朝食を作り、
洗濯機を回して干して、適度に掃除して、
響を起こして、一緒に朝食を食べて、
響の用意と 自分の用意。
響を乗せた幼稚園バスを見送り、自分は、長いこと勤めている、弁当屋の仕事へ。
好きな仕事を一生懸命にやって、
和気藹藹な昼食。
午後の仕事も終え、仕事上がり。
オーナーの奥さんが、従業員皆に、
「これ、持って帰って♪」と、
おかずを沢山くれたりして、
恵倫子にとって、
凄く助かるので、有難い想いいっぱいで、
仕事場からの帰路の途中で、
響の乗る幼稚園バスの お迎えへ。
帰宅しても、落ち着いては居られない。
洗濯物を取り込み、夜ご飯やら お風呂やらで、忙しい。
響と湯船に浸かりながら、
ひとときのリラックスタイム。
“やっと、明日は休みだぁ。
ちょっとは、ゆっくりできるかな。
あっ、そういえば…、
今日は珍しく 愚図らなかったなぁ”
一緒に、お風呂の中で遊んでるときの、
響の満面の笑顔で、恵倫子は、気付かされた。
響は、お風呂が好きなのに、
最近、
「お風呂入るよ~」と声かけすると、
「いやーーー!」と、
梃子でも動かないのかと思える程の力強さで、
服も脱がされまいと 寝そべり許否の、知恵三昧。
でも、今日は全然違う。 満面の笑顔。
“最近のお風呂が、楽しくなかったのねぇ”
忙しさに、お風呂も義務化してたかも…と、
恵倫子は、響に 気付かされた。
そして、
響が、シャワーに慣れたのにも 気付かされた。
どうやら、ぞうさん如雨露のお蔭で、慣れた様子。
“シャワーは、水の勢いが強くて 怖かったのかな”
恵倫子は、改めて 感じる。
以前と同じような、我が家。
朝起きてからの やるべき事は、
陽音と出逢ってからも変わらないのだが……
なんだか、気分が違う。
今は、
陽音と出逢う以前の日々と同じ、感覚。
つかの間に会える楽しみがあった、
陽音との、お昼の会食は、
今は、もうない。
連絡が途絶えてから、恵倫子は、ふと 思う。
“ほんとに帰ってくるのかな… ”
陽音のオフの日にも、一緒に過ごしてた事が、
懐かしい… 物悲しい…
でも、
寂しいなんて、言ってられない…
響を育てる、大切な日々がある。
だから、
恵倫子は、陽音との良い想い出 として、
心に刻めるように、心掛けた…
そんな…
年明け、ちょうど ふた月目が、訪れようとした頃…
ーー
恵倫子のもとに 一通の絵葉書が届いた。
郵便物に紛れて、美しい 公演風景が…
“あっ…”
予感がして、その一枚を手に取る。
裏返して、差出人の名前を見る…
「!…陽音さん」
久方振りに、陽音からの便りが、
届いたのだった。
“私を忘れたわけじゃ なかったんだぁ…”
見馴れた綺麗な字に、心を寄せる。
ーー
恵倫子へ
今、ベルリンにいます。
絵葉書の写真は、
先日 開催されたベルリンコンサートでの
演奏風景です
ーー
短い文面だったが、
恵倫子には、深く染み入るものだった。
そして、
写真からは、今にも
陽音の演奏が、響いてきそうだった。
恵倫子は、久方振りの感動に 余韻嫋々ながら…
「ん?」
もう一通、
陽音からの 封書が届いていることに気付いた。
嬉しいサプライズを味わったような、気分…
恵倫子は、嬉しさを噛みしめるように
レターオープナーで ゆっくりと封を開けると、
陽音の書いた 綺麗な字を辿る様に…
文面の一文字一文字を 噛みしめるように…
大切に 丁寧に 読んでいった…
ーー
恵倫子 お元気ですか
漸く 余裕ができ、ペンを取りました。
逸る気持ちを抑えながら 書いています。
多忙が重なり、ハプニングや山場もあり、
想像した様に
スムーズにいくものではないんだな と
海外ツアーの大変さを痛感したり、
人生とは面白いなぁ と感じたりしています。
響ちゃんも 元気かな
今度会ったら、ちょっと見ない間でも
随分と大きくなったなぁ と、感じるだろうね。
仲良し親子さん
仲良く楽しく 日々を送ってるのでは…と
想像しながら、
三人で見た あの日の花火を
いつも 思い出している。 励みにしてる。
また、一緒に見たいな
愛しい夏を 想い出す…
冬のベルリンは、とても寒いです
追伸
新年が明けましたね
明けまして おめでとうございます
新しい年も、 宜しくお願いします
ೄ❥ 心から愛する 恵倫子 & 可愛い 響ちゃん
•*¨*•.¸¸☆*・゚✡*。゚✧*。*◊*¨*•.¸¸♪ー 陽音 ー
ーー
読み終えて… …余韻嫋々… 涙した…
陽音の想いが知れて
嬉しくて… …嬉しくて…
心から …感激した…
そして…
安堵できた…
恵倫子の
胸いっぱいの涙が、
弾けて… …とめどなく… 溢れた…
ーー