struck symphony
陽音からの便りの 余韻嫋々…




数日後の ある日。




見せたいものがある! と、
恵倫子の家に 親友の来夏が、
久し振りに 泊まりに来た。


来夏に 凄く懐いてる響は、とても嬉しそう。


「ゆらちゃ~んっ、ホントは私がママだぞぉ~」

「きゃ~♪」


わざと驚かすような声色で 響を追っ掛ける、来夏。
響は、はしゃぎながら 逃げ回る。


相変わらずの光景に 恵倫子は、目を細める。


「おっ、逃げるかぁ~、
オムツも替えてあげたんだぞぉ~」

「きゃっ♪ きゃ~♪」

追っ掛けなくても
来夏が言っただけでも はしゃぐ、響。


響は、驚かす声色を まったく怖がらず、
寧ろ、愉しいようで、
来夏がバテても もっともっとと 催促する。


「ギブ、ギブアップ、ゆらっ」

「らいか~」

「こらぁ~、呼び捨てするなぁ~、年上だぞぉ~」

「らいか~♪」

「おぉ?
もう大人をからかう道を知ってるのかぁ~?」

「きゃ~♪」


響を追っ掛けようとしたが、
仕事上がりの来夏は、疲れ果てて、
ソファーに凭れ込んだ。

透かさず、
来夏に乗り掛かろうとする、響。


「こらこらっ」

恵倫子は、直ぐ様 響を抱き上げて制止し、
そのまま お風呂へと連れていった。


「来夏~、ゆっくりしてて~」

「はぁい、いってら~」



ーー



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