struck symphony
陽音は、逸る気持ちで タクシーに乗り込んだ。

もうすっかり暗くなった繁華街。

車窓にたなびくネオンが、
恵倫子へと ますます心を走らせる。



程無くして、
タクシーは、恵倫子のマンションに着いた。


タクシーを降り、
陽音は駆け出し、エレベーターへと乗り込む。

逸る想いにボタンを押し、
マイペースな昇カウントに 焦る心を抑える。

扉が開き、
陽音は、一目散に 恵倫子の家へと駆けた。

扉の前で 深呼吸をひとつ。

陽音は、静かに インターホンを押した。


ー ピンポーン ー



「はーい」

インターホンからの
心寄せる、懐かしい声。
陽音は、思わず 涙しそうになりながら…



「恵倫子…」

「えっ!?
すぐ開けるね!」

インターホン越しに
凄く驚いている 恵倫子の様子が伝わってきて……


すぐに 玄関扉は、開かれた ー
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