struck symphony
夜が明け…
辺りが だんだんと明るくなってきた頃 ーー
隣にママが居ないことに気づき、
響は、目を覚ました。
「ママ…」
起き上がり、不安ながらに、
夜明けの薄明かりの中で 辺りを見渡す。
開いている扉から リビングに人の気配を感じ、
ベッドから降りて
扉へと歩み寄り 顔を覗かせると、
絨毯に座って ソファーに凭れて眠る 恵倫子と、
頭にタオルを乗せ 身体にはタオルを挟み、
ソファーに仰向けで眠る 陽音の姿があった。
「ママっ、 はるとおにぃちゃん…」
響は呟き、この状況を じっと眺める。
傍らにある洗面器、救急箱に体温計。
ママが お熱を計ってくれるときに
体温計を使うのを思い出し、
お熱が出たんだと察した響は、恵倫子へと歩み寄った。
そして、
ソファーに凭れている恵倫子の頭に手を差し込んで、
額に手を宛がった。
「お熱、あるかなぁ…」
手の感触を感じて、恵倫子が、目を覚ます。
「あっ、ゆら。起きてたの?」
「ママっ、お熱?」
「あぁ…、ママじゃないのよ。ありがとう」
「違うっ、あっ…、間違えたねぇ」
違うときの響の口癖に 微笑みながら、
恵倫子は、丁寧な仕草で 陽音を指し示す。
「お熱はね、はるとおにぃちゃんなの」
「あっ、そうなんだね」
響は そう言うと、
横たわる陽音へと歩み寄り、額に手を宛がった。
「ゆら、 優しいねぇ」
幼い響の 感心する行動に、
恵倫子は、感慨深く 目を細める。
「ママ、 熱くないよ」
「あら、ほんと?」
恵倫子も 陽音の額に手を宛がう。
「あぁ…ほんと、下がってるねぇ」
体温計で計ってみると、36,6℃
恵倫子は、響の頭を撫でながら
陽音へと視線を移し、安堵した。
ーー
辺りが だんだんと明るくなってきた頃 ーー
隣にママが居ないことに気づき、
響は、目を覚ました。
「ママ…」
起き上がり、不安ながらに、
夜明けの薄明かりの中で 辺りを見渡す。
開いている扉から リビングに人の気配を感じ、
ベッドから降りて
扉へと歩み寄り 顔を覗かせると、
絨毯に座って ソファーに凭れて眠る 恵倫子と、
頭にタオルを乗せ 身体にはタオルを挟み、
ソファーに仰向けで眠る 陽音の姿があった。
「ママっ、 はるとおにぃちゃん…」
響は呟き、この状況を じっと眺める。
傍らにある洗面器、救急箱に体温計。
ママが お熱を計ってくれるときに
体温計を使うのを思い出し、
お熱が出たんだと察した響は、恵倫子へと歩み寄った。
そして、
ソファーに凭れている恵倫子の頭に手を差し込んで、
額に手を宛がった。
「お熱、あるかなぁ…」
手の感触を感じて、恵倫子が、目を覚ます。
「あっ、ゆら。起きてたの?」
「ママっ、お熱?」
「あぁ…、ママじゃないのよ。ありがとう」
「違うっ、あっ…、間違えたねぇ」
違うときの響の口癖に 微笑みながら、
恵倫子は、丁寧な仕草で 陽音を指し示す。
「お熱はね、はるとおにぃちゃんなの」
「あっ、そうなんだね」
響は そう言うと、
横たわる陽音へと歩み寄り、額に手を宛がった。
「ゆら、 優しいねぇ」
幼い響の 感心する行動に、
恵倫子は、感慨深く 目を細める。
「ママ、 熱くないよ」
「あら、ほんと?」
恵倫子も 陽音の額に手を宛がう。
「あぁ…ほんと、下がってるねぇ」
体温計で計ってみると、36,6℃
恵倫子は、響の頭を撫でながら
陽音へと視線を移し、安堵した。
ーー