struck symphony
花曇
リハーサル開始時刻となり ーー





サポートメンバーは、各々 自分の楽器を携え、
定位置にて 準備万端。



メンバーは、5名。


ヴィオラ奏者、帋川慶史
(かみかわけいし)

グロッケンシュピール奏者、白鷺嶺
(しらさきれい)

コンガ&ウインドチャイム奏者、
ラウール・カルペンティエル(玖)

ハープ奏者、鮎原ミア
(あゆはらミア)(日×英)

コンドラバス奏者、桐ヶ谷翔真
(きりがやしょうま)




泣き潰れてた ハープ奏者のミアも、

彼女を気に掛けていた コンドラバス奏者の桐ケ谷も、

リハには、ちゃんと、いつも通りの心構えで。



そして、

ピアニスト香大陽音が、ピアノの前に 静かに座った。




“やっぱり… ちゃんと戻って来てたんだ…”



いつも通りの陽音の様子に、普段の冷静さを取り戻したと感じ、ミアは、安堵する。




「では、皆さん、
宜しくお願いします」

「宜しくお願いします」

陽音の声掛けに メンバーが応える。



「セットリストの順に、
確認したい箇所を やっていきます。

通しは、この後のゲネプロで。

では、
一曲目
a waxing crescent moon の
15小節目から」



陽音がピアノに指を置き、音を鳴らすと同時に
共演者たちの楽器も、合わさる。



息の合った、
見事な統合で奏でられ、音たちが 流るる…




ーー









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