struck symphony
セットリストの計5曲、
及び、
アンコール用の1曲のリハを終え、
ゲネプロ前に
一旦、休憩に入る。



「最終リハは、20分後にやりますので、
宜しくお願いします」


陽音の声掛けに メンバーは各々返事をし、
それぞれ 休憩に入った。






陽音は、
いつもの様に ひとり 静かなスペースへと向かい、
デジタルオーディオプレーヤーで
セットリスト順の自分の演奏を聴く。



サポートメンバーの演奏は、
彼らのプロな実力を信頼している故、
彼らに委ねているため、
合わせるための確認で了解し、

あとは、
良いも悪いも 魔物が生まれる と言われる本番で、
御客様の前で、どんな爆発変化を魅せるのか、
どんな融合になるか
と、
陽音は、いつも 楽しみにしている。






今日の静かなスペースは、
ブルーに煌めく水槽の見える、
ロビーの隅のソファー。


陽音は、静かに腰掛け、
箇所ごとを確認するために
イヤホンに 集中した。 ーー
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