恋は手紙と。
 「やーだ」



 「ちょっと……!」



 上にあげていた手を下げて、紙を背中に隠される。



 「返してよ……」



 だんだんと必死になってきて怒ったような表情をして見せる。


 すると、ずいっと、沢村くんの顔が耳元に近づいた。



 「やだよ。俺、宮野のこと好きだし」



 「……へ?」



 「それに……お前も圭吾のこと好きなら、手紙じゃなくて口で伝えろよ」



 え、ちょっと、な、何……?


 今、何が起きた……?
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