恋は手紙と。
  *


 あれから数日、梶木くんとは数回メールで連絡をとっていた。


 全ての授業が終わりスマホのロック画面をつけると、一件メールが届いている。


 件名には、シンプルに『梶木です』と書かれていて、こっそりとにやけてしまう。



 「……わっ」



 画面から顔をあげると、こちらを向いている沢村くんと目が合ってしまった。


 私は驚いてスマホを背中の後ろに隠す。


 変な人、とか思われたかな。


 私はメールに視線を戻して、件名に『宮野です』と打ち返してみる。


 指が緊張して、手汗が出てきそう。
< 33 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop