恋は手紙と。
 「ううん、いいの……また、ちゃんと聞かせて」



 「ごめんね? ……じゃあ、またね」



 「うん、じゃあね」



 私の家のある方向とは反対に歩いていく梶木くんを見送りながら、あげていた手を静かにおろす。


 それと同時に、さっき感じた違和感も思い出していた。


 あー、また、聞きそびれちゃったな……
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