恋は手紙と。
 私は梶木くんの座る席の少し後ろに立って、名前を読んだ。



 「あっ、宮野さん」



 いつもと変わらず、優しい笑顔を向けてくれる梶木くん。


 この笑顔の裏で、梶木くんは何を考えているのだろうと、そう考えてしまう。



 「ホームルーム終わったら、ちょっと残ってくれるかな……」



 「うん、わかった」



 ゆったりとした声で返事が返ってくる。


 言いたいことを伝え終わった私は、席に戻って座ると、机に視線を落とした。
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