恋は手紙と。
 はじめは自分に向けられているとは思わずスルーしてみたのだが



 「……聞いてんのかよ」



 と再び声が聞こえ、振り向くと、薄茶色の髪をした男子と目が合った。


 少し着崩した制服は、チャラそうにも見える。


 隣の席の、沢村蓮くん。


 喋ったことはないのに、何の用だろう。



 「これ……お前?」



 そう言って目の前に差し出された紙。


 それに私は、目を見開く。
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