恋は手紙と。
 「……行くぞ」



 「沢村くんっ……!」



 再びつかまれた腕に、思わずビクリとした。


 けれどそれが沢村くんのものだとわかって、安心する自分がいる。


 腕を引っ張られて、廊下へ出る。


 教室を出るとき、梶木くんの方は見なかった。


 沢村くんに腕を引っ張られたまま、廊下を走る。
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