私の日常が崩れる日
やっぱり、アンドロイドのようだ。

「その原理?根拠?みたいなのを是非とも教えて欲しいな」

「無理です。直感も推測も自分で培うものであって人から教えてもらって分かるものではありません」

あーあ、こんなに言い負かせられると悔しさを通り越して感激すら覚える。

「本当は別の用事で私をストーキングしていたはずです。手短にお願いします」

「なるほど、君は他の女の子とは違って直ぐに結論を求めるんだな」

珍しい…僕の周りにはそんな人間が今まで存在したことがなかった。

「ならば単刀直入に聞こう。入学して6か月の間で一体、何があったんだ?」

彼女は一瞬だけ目を見開いたが直ぐに表情を元に戻した。

「和田先生に聞いたんですか?」

「その通り」

「言うつもりはありません。貴方に答える義理がありませんし、たとえ先生であっても私のプライベートは守られるべきです」

「では、質問を変えよう。何故、君の目は輝いていないのだ?まるで全てを諦めたような目をしている」

彼女は図星をつかれたような表情をして、目を見開いたまま固まっている。

「生きるためにはこのような選択しかなかったんです」

彼女はポツリと呟いたが僕の耳にはしっかりと聞こえていた。

「何が君をそこまで変えたんだ?」

「答えるつもりはありません。失礼します」

彼女はその場を去ろうとしたが急いで追いかけた。

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