私の日常が崩れる日
「では、質問を変えよう。何故、君の目は輝いていないのだ?まるで全てを諦めたような目をしている」

どうして………それを……

精神科医って、やっぱり厄介だ。

「生きるためにはこのような選択しかなかったんです」

「何が君をそこまで変えたんだ?」

「答えるつもりはありません。失礼します」

やってしまった……無駄に長話をしてしまったから余計なことを言ってしまった。

「お兄さんは君の目に気付いているのかい?」

兄のこともきっと和田先生に聞いたんだろう。

全く…プライベートなことぐらいは守られたいものだ。

「私は兄ではないので知りません。それに最近はすれ違ってばかりで逢ってすら無いです」

すると、先生は急いで鞄の中から1枚の紙を取り出した。

「僕の連絡先を渡しておくから気が向いたら電話して」

「何故、私に連絡先を渡すんですか?」

先生の行動が読めない。

普通、医者は患者やその家族に自身の個人情報は渡さないはずだ。

「君が気になったから」

「普通の女の子なら勘違いするような台詞を言わないで下さい」

先生は自分の間違いに言った後に気付いたようだった。

「君の直感と推測が気になった。あと、目がね」

「先生が言っている意味が理解出来ないです。まぁ、理解しようとも思ってないですが」

そう……他人の考えを理解しようとしても100%、理解することは出来ない。

半分を理解しようとしてもかなり難しい。

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