fantasista 2
ぽかーんとしているあたしに、
「みどり、あーんッ」
黒木剛が焼き上がったたこ焼きを差し出す。
そんな黒木剛に思わず言っていた。
「黒木さん……あたしは戸崎の彼女です」
すると、彼は口角を上げてあたしに言う。
「まずは……剛。
俺のこと、そう呼んでくれ」
「剛……さん」
「さんはいらねぇ!
敬語もいらねぇ!
ピッチ上じゃ、上下関係なんてないからな」
「……はぁ」
ごっ……剛……君の勢いに何も言えなくなる。
完全に剛君に押されているあたしは、ただ黙って剛君を見た。