fantasista 2





樹君は真剣な瞳であたしを見た。

そんな目で見られると、居心地が悪い。

必死に言葉を探すあたしに、樹君が言う。





「俺は柊の親友だから、みどりちゃんにどうしても言いたいんだ。

……柊を大切にしてあげて」



「……うん」



「あんなに女性に興味がない柊が、みどりちゃんのことは五年間も好きだったんだよ」



「……」



「みどりちゃん以外の人と、真剣に付き合ったことないなんて言ってた」



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