fantasista 2
「でも、柊ってずっとみどりと……」
「もしかして、まだ山形みどりと付き合ってるの?
てか、剛は山形みどりが好きなの?」
「……好きじゃねぇけど」
そう言いつつも、胸がどくんとした。
声が震えていた。
俺はマキに嘘を付いている。
みどりが気になって仕方がない。
きっと、みどりが好きだ。
マキはじっと俺を見ていた。
その射抜いてしまいそうな瞳が不気味で、俺は目を逸らす。
そんな俺に、マキは告げた。
「じゃあ、あたしが柊を落としてあげる」
「は?」
「あたしが柊を落としたら、剛は山形みどりを手に入れられるでしょ?」