fantasista 2
戸崎は不意にあたしの手をぎゅっと握る。
あたしの胸が、さらにうるさく鳴り始める。
そういうの、反則だ。
店舗のスタッフや他の客だっているのに。
優しくて甘い戸崎に、愛されてるって思ってしまうから。
「楽しみだな。早く住みたいな」
それはもしかしたら、あたしの言葉なのかもしれない。
会うたびに惹かれていく。
後戻り出来なくなっていく。
戸崎に会って、こうも人が愛しいのだということを知った。
こうも大切にしたい人がいるということを感じた。
こうやって、ずっと戸崎と一緒にいられたらいいのに。