fantasista 2
頰を染めながらふくらはぎに触れるあたしの髪を、戸崎が優しく撫でる。
小さく飛び上がったあたしは、戸崎に優しく抱きしめられた。
胸が破裂しそうな音を立て、身体中の血が沸き立つ。
反則だ、さっきまで馬鹿な話をしていたのに、急にこうも甘くするなんて。
全身で戸崎に狂うあたしに、彼は静かに告げた。
「俺は、山形を苦しめたくないんだ」
「……苦しめる?」
あたしを抱きしめる戸崎の手に力が入る。
「正直、俺は山形を抱きたくて仕方がねぇ。
でも、そうするとお前は身体が辛いし……
精神的にも辛いし」
「……精神的?」
「俺は散々遊んできた馬鹿だ。
俺がお前を抱くと、お前はそれを思い出さずにはいられない」