fantasista 2
「俺が出るから」
そう言い残して開かれた扉から……
「あれ?みどり、いねぇの?」
久しぶりに聞く剛君の調子のいい声が聞こえてきた。
嫌な予感は当たるものだ。
戸崎がいてくれて、本当に良かった。
「いねぇよ。
てか、いてもお前には会わせねぇよ」
超嫌そうな戸崎の声と、
「またまたぁ!
お前、マジでみどり好きなんだな。
今日はせっかくマキを連れて来たのに」
からかうような剛君の声がする。
そして……
「久しぶり、柊」
初めて聞く女性の声がした。
鼻に付くような甘い女性の声。
胸がずきんとする。
さらに嫌な予感がした。