fantasista 2





昔の戸崎は、あたし以外の女子には優しかった。

もしかして、今も本質的には変わっていないのだろうか。

もう少し毅然な態度を取って、あたしを安心させてくれればいいのに!





怒りを込めてボタンを押した。

画面の中の男性は、目にも留まらぬシュートを放ち、敵のゴールを華麗に揺らす。

それが戸崎みたいで、泣きそうになったんだ。




あたしが受けた喧嘩なのに、こんなにもショックを受けている。

強がったりなんてしなければ良かった。

素直に戸崎に嫌だと言えば良かった。



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