fantasista 2
剛君はコントローラーを投げ出して、あぐらを解いて足を伸ばす。
その足は、やっぱり戸崎の足みたいに筋肉がついて力強かった。
そして、剛君はゆっくり話し出す。
「俺には高校時代から付き合っていた彼女がいた。
地味で目立たない子だけど、楽しい子だった。
笑って冗談を言い合う関係だった」
低い声で話してくれる剛君の話をうんうんと聞く。
「付き合って二年目、俺はサッカー選手になることが決まった。
チームに入るなりモテ始めた俺は……
ついつい浮気をした」
「うん……」
「そうしたら、それがバレて別れることになって。
失ってからそいつの大きさが分かった。
いつも隣で笑ってくれていたそいつがいなくなった毎日は、酷く虚しかった」