fantasista 2
GAME.9 クロスオーバー
ーマキsideー
初めて柊と話したのは、高校一年生の夏だった。
当時から戸崎は目立っていて、女子に囲まれていた。
「ねえねえ!柊が来たよ」
友達があたしの手を引き、二人で走る。
柊の周りにはいつも女子がいて、きゃあきゃあもてはやされていた。
そんな中を、柊は自慢げに歩く。
「柊、おはよう!」
「おはよう、愛ちゃん」
「柊、今日もかっこいいね」
「だろ?抱いて欲しいか?」
女子はそんな甘い言葉を吐きつつ廊下を歩く。
そしてあたしの前を通り過ぎようとした時……
みんなみたいに、思わず声をかけていた。