fantasista 2
「今日デートしない?」
柊はピタリと止まってあたしを見る。
その瞳で見つめられると、吸い寄せられてしまいそうな錯覚に陥る。
身長は低いけど、完璧な顔の作りだなとか、王子様って本当にいるんだとか思った。
「初めて会う娘だよね。
名前、なんて言うんだ?」
「……マキ」
「マキちゃんか。
今日は愛ちゃんとデートだから、明日な」
王子様は悪怯れることもなくそう言って去っていった。
そんな彼の後ろ姿を見ながら、胸を押さえていた。
あの戸崎柊と、いきなりデートすることになっちゃった!