fantasista 2
あたしは柊に導かれるようにホテルに入り、柊に抱かれた。
始終優しい柊だったが、どこか寂しかった。
柊ばかり余裕の表紙であたしを見下ろしていて。
「あたしのこと、好き?」
そう聞くと、
「好きだよ。可愛い娘はみんな大好きだ」
なんて言葉が返ってきて愕然とした。
だから離れないように、ぎゅっと柊にしがみつく。
だけど……
柊はあたしをぎゅっと抱きしめ返してくれることなんてしなかった。
身体は満たされたが、心は満たされなかった。
抱かれると思ってしまう。
あたしは、柊のただ一人になりたい。