fantasista 2





……アンタ?

興味ねぇ?

この人、何言ってるの?




あたしの手が震えていた。






「昔のことは悪かった。

好きでもないのにその気にさせて。

俺、どうかしてた」




柊はちらりともあたしを見ず、低くそう告げる。

何も言えないあたしは、ただ黙って柊を見る。





「俺は今もアンタを抱けるし、甘い言葉だってかけられる。

でも……あいつを悲しませたくないんだ。

俺にとって一番辛いのは、あいつがいなくなること」





そう言う柊は、どこか嬉しそうな顔をしている。

それがムカつく。




なんで山形なの?

なんであたしじゃないの!?

あの時も、今も!


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