fantasista 2
あたしがモテていたら、ついこの前まで処女なんてことにはなっていなかったはずだ!
そう思って……真っ赤になる。
あの日の優しい戸崎を思い出して、胸がきゅーっと音を出す。
また、戸崎に触れたい。
戸崎の笑顔が見たい。
麻薬みたいにやめられなくなる。
……のに、
「なに赤くなってんだ」
戸崎は不満そうに言う。
「そんなに剛がいいか?
俺より剛がいいのか!?」
そう言ってあたしに背中を向けた戸崎が酷く小さく見えて。
その大好きな背中にしがみついていた。
たこ焼きの油の匂いに混じり、戸崎の香りがする。
それがあたしの胸を再び熱くさせる。
「戸崎、不安に思わないで。
あたしには、あんたしかいないから」
あたしはもう、二度と戸崎を離したくないんだ。