fantasista 2
「なぁ、山形」
戸崎は静かにあたしに告げる。
「どうしたら納得してくれる?
俺がどれだけお前が好きで、どれだけ離せない存在かってこと」
そんなのとっくの昔に分かってるよ。
だけど、ここは戸崎に甘えてしまおうかな。
あたしには、もっともっと戸崎の温もりが必要だ。
「抱きしめて」
我ながら、なんてことを言っているのだろう。
「ぎゅっと離さないように抱きしめて」
戸崎は切なげな笑顔を作る。
そしてあたしに向かって手を伸ばす。
その大きくて優しい胸の中に飛び込んでいた。