fantasista 2
戸崎の香りと体温があたしを狂わせる。
頭をぼんやりとさせる。
そんな幸せの中、ぎゅっと戸崎のシャツを握りしめた。
「煽るのかよ……」
低く甘い声で戸崎が言う。
……もちろん煽っている。
あたしはまた、戸崎に抱かれたい。
心地よくてだるいあの幸せを噛み締めたい。
「あのな……俺だって我慢してんだ」
「我慢しなくてもいいよ」
「お前、腰負傷中たろ!」
「もう大丈夫だよ……」
我ながらびっくりする。
こうも戸崎に迫るなんて。
だけど……
「安心させて欲しいの」
あたしは戸崎に告げる。
「他の女は抱けて、なんであたしは抱けないの?」