fantasista 2

GAME.10 バックパス

「剛君はもう来ないと思うけど……

一緒に住むって話、どうする？」




あたしは遠慮がちに戸崎に聞いた。

同棲の目的がなくなった今、戸崎は同棲に反対するかもしれない。

それはすごく寂しいが、戸崎が望むなら従おうと思った。

戸崎はプロサッカー選手だ。

その生活に、あたしが負担をかけてはいけない。





「お前はどうしたいんだ？」





戸崎の言葉に何も言えなくなった。




あたしはどうしたい？

あたしは……

戸崎といたい、なんてわがままは言えるはずもない。