fantasista 2
戸崎の不機嫌の理由が分かった。
剛君にあたしを会わせたくなかったのだ。
だけど、あたしは大丈夫。
戸崎に対する思いは揺らぎないものだから。
そして、嫉妬してくれた戸崎がなんだか可愛くて愛しい。
……戸崎のくせに。
「ねぇ、こっち向いて」
あたしの言葉に、うるせぇよと言う戸崎。
「ねぇ、そこのイケメンファンタジスタ!」
わざとらしく言うあたしに、うるせぇなと戸崎は言う。
無理矢理前に回り顔を覗き込む。
すると、真っ赤な顔で口をきゅっと閉じた戸崎がいて。
あぁ、この人こんな顔するんだと思った。
すごくすごく愛しい、あたしの大切な人。