fantasista 2





「それならあたしも実家に……」




そう言って口を噤む。



あたしは、実家に帰ることなんて出来ない。

あたしが帰るとお母さんはきっと迷惑な顔をするから。




慌てて首を振る。

そして、



「あたしが行ってもいいのかな?」



その問いに、



「当然だろ」



戸崎はぶっきらぼうに答え、あたしの手を引いた。




いつもの戸崎なのに触れた手はすごく優しくて、やっぱりどきどきしてしまったんだ。





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