fantasista 2
「すっからかんはあんただよ!」
思わずそう言った時……
「あ、柊!……と、みどりちゃん」
女性の声が聞こえた。
あたしの記憶の中よりも少し歳をとっていたが、その優しそうな女性に見覚えがある。
柊の母親だ。
「お久しぶりです。
急にお邪魔してすみません」
緊張しながら頭を下げるあたしを、どうぞどうぞと笑顔で迎えてくれる。
その笑顔は心なしか戸崎の笑顔と似ていて、あたしの緊張を和らげてくれた。