fantasista 2
「なんで俺が留守番なんだよ」
不服そうに父親を睨む戸崎に、
「だって、最近空き巣が流行ってるから怖いんだよぉ。
今すっごく大事な資料が家にあるから、絶対持ち出されてはいけないからね」
父親はへなへなと笑いながら出て行ってしまった。
そんな父親が消えた扉に向かって、
「クソ親父」
戸崎は悪態をついていた。
戸崎はそんな様子だが、やっぱり羨ましかった。
戸崎家は幸せ家族で、戸崎は両親から愛されて育ってきたから。