fantasista 2
その証拠に、
「あんた、両親をもっと大切にしなよ」
そう言ってやると、
「すげぇ大切にしてるよ」
なんて答えた。
そして、
「お前ん家は?
久しぶりに帰らなくてもいいのかよ」
その問いに、
「あたしの家は戸崎の家とは違うからさぁ」
泣きそうになるのを我慢し、笑顔で答えた。
そんなあたしを戸崎はじっと見ていた。
もしかして、バレた?
あたしの心の中、バレた?
そう思ったが……
「とりあえず、何か飲むか?」
戸崎はあたしの手を引き、リビングの扉を開けた。