fantasista 2
試合開始二時間以上前だというのに、スタジアムは人で溢れていた。
青いユニフォームの10番を見つけるたびに、胸がどくんと音を立てる。
これからVIP席に行くというのに、戸崎のことばかり考えてしまう。
戸崎は今、何をしているんだろう。
何を考えているんだろう。
あたしの存在が力になるのかな?
そう思うと、すごく嬉しい。
やがて、招待状に書かれた通りの場所に、VIP席の入り口があって。
あたしたち以外にも、スーツを着た人がいたりして。
戸崎のことを考えながら、その入り口をくぐった。