fantasista 2
後半十分。
ディフェンスからのロングパスを受け取る戸崎。
再び敵を抜き……
聳えるゴールに向かって、抉るようなミドルシュートを放つ。
まるでロケットのような凄まじい無回転シュートだった。
キーパーが何とか止めようと飛び出すが……
黄色のボールは華麗にネットを揺らした。
二得点目だ。
戸崎の活躍から目が離せない。
そして終了間際、剛君からのふわりと浮いたコーナーキックをヘディングで押し込む。
見事なシュートだった。
そして、三点も入れてしまうなんて。
スタジアムには壊れてしまいそうな戸崎コールがいつまでも鳴り響いていて。
その中で、嬉しそうな戸崎をずっと眺めていた。
鼓動は速く、身体は熱いままだった。