fantasista 2
「ごっ……ごめん!
あたし、急いでて」
慌てて剛君から離れようとするが、腕をぎゅっと掴まれる。
もちろんドキドキなんてしなかった。
ただ、ひたすら焦っていた。
戸崎が知ったらどう思うかなんて考えて。
剛君に手を掴まれるあたしを見て、
「黒木さん!彼女ですか?」
女子たちが聞く。
すると剛君はううんと首を振る。
ほっとするのも束の間、
「今は彼女じゃねぇけど、こいつは俺の女になる予定だ」
訳のわからない言葉を吐いた。