fantasista 2
その真剣でまっすぐな瞳から目が離せない。
もう、スタジアムの騒音なんて耳に入ってこなくて。
戸崎とあたし二人の世界に入ってしまう。
戸崎はまっすぐな瞳であたしを見たまま、口元を少し緩めた。
そしてゆっくり息を吸う。
その沈黙が永遠に思えた。
「みどり……」
不意に呼ばれた名前に、ビクッと飛び上がる。
鼓動が止まりそうなほど速い。
「……俺と、結婚してくれ」
あたしは目を見開いて戸崎を見ている。
身体が震え、口元が曲がる。
「もう、絶対寂しい思いはさせねぇから」