fantasista 2




そんなあたしを戸崎はぽかーんと見た。

そして、見当違いのことを言う。




「あー……試合の九十分は苦痛だよな。

俺、実はドMなのかもしれねぇ」




そんな戸崎に何も言えなくて。

真っ赤になって俯くあたしを戸崎はそっと抱きしめる。

まるで割れ物に触れるかのようにそっと。

その優しくて強い腕に再び鼓動が高鳴り。

その胸に溺れてしまう。

昨夜抱かれたばかりなのに、また戸崎を求めてしまいそうだ。

それほどまでに痛みすら愛しかった。

その身体で抱きしめられることに幸せを感じた。

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